pulptexの日記

未来の自分への伝言

JSTQB Advanced Level Test Analyst受験記

2022年2月12日に「第7回JSTQB認定テスト技術者資格 Advanced Level(TA)試験」を受験し、無事合格することができました。 TMに引き続き、事の経緯を書き残しておこうと思います。

スペック

  • テスト歴

    • 約8年?(システム開発の一部だったり本業だったり顧客サポートの一環だったり形態いろいろ)
    • UT/ITのテストケースレビューとか
    • システムテストの計画/設計/実装/実施/クロージングとか
    • ドメインは自動車
  • 資格

    • JSTQB CTFL:2019年夏に合格
    • JSTQB CTFL-Aut:2021年春に合格
    • JSTQB ALTM:2021年夏に合格 ←New!

2021-2022に一気にまとめ上げたな。我ながら。

受験の動機

TM合格した時点で受験を決めました。JSTQBで実施している試験区分としてやり残していたのはTAのみだったので、受験しないという選択肢はありませんでした。内容的にもTMよりこれまでの経験に近いものがあるので、勉強のハードルもそこまで高くないかな、という期待込み。

勉強の流れ

10/M~10/E:シラバス1周目。

TM同様、シラバスを素のテキストに直す→Wordで清書→読んでて見つけた気づきとか業務の振り返りをコメントとして残していく方式で読み進めました。当初の期待通り、圧倒的に読みやすい。むしろ読みやすすぎてこれは勉強になってるんだろうか(=何か新しいものを得られているのだろうか)という不安もありました。

11/F~11/M:はじめて学ぶソフトウェアのテスト技法。

TAは技法への理解がマストというブログをチラチラと見ていたので、技法を固めるべくこちらの本を通読しました(買おうと思ったらKindle本棚に既読で並んでいました、、、完全に忘れている)。やはり圧倒的に読みやすい。一部よくわかんないところ(基礎パステスト)があったものの、その他はいわゆる”完全に理解した”状態で読了。こんなもんかなってところでシラバスに戻ります。

ちなみに前回読んだ時のマーカーで、過去の自分がどんな部分に興味があったかを把握できて面白いと思いました。探索的テストのところにたくさんマーカーがあったので、きっと探索的テストマスターに憧れていたんでしょう。今も大して変わってないかもしれません。

11/M~12/F:シラバス2周目。

1周目の感想が「読みやすいなぁ」だったので、しっかり読み込もうと思って始めた2回目ですが、深読みしすぎて逆に混乱するパターンが何回かありました。自分なりの解釈つけたりTwitterに呟いてアドバイス貰ったりしながら、ある程度腹落ち感を出したつもりではいますが、何とも言えないコレジャナイ感が。。。シラバスにも書いてある通りいろんなケースに対応できるような文章にしているためとは思いますが、変な深読みはやめた方がいいと思いました。するにしても誰かとあーじゃねこーじゃねワイワイ議論しながらやるのが吉(それができれば、ですが)。

12/M~1/M:ISTQBサンプル問題。

シラバスにモヤってしまったので早々に問題演習に着手しました。言っても技法がメインだし技法を使い方は解釈の違いが出にくいだろう(=正誤がはっきりするのでモヤりにくいだろう)という期待を持っていました。結果としては半分期待通り半分期待外れで、確かに問題と解答が直結していて疑問を挟む余地も無かったのですが、なんというか間違い探しをしているだけというか桁数の多い筆算みたいに単純だけど凡ミスが出やすい問題ばっかりで、問題演習を通して得られた気づきや知見があんまりありませんでした。むーん。

この時点で正答率65%。まぁこんなもんだろうってことでシラバスに戻る。

1/M~1/M:シラバス3周目。

シラバスを読んでも問題解いてもあんまり得られたものが無い気がする、、、という気持ちから、3周目は一生懸命気づきを得ようと頑張りました。頑張るとちょいちょい不明点とか出てきて、気の緩みというかナメてかかってる感というか、その辺を感じて読み込み作業に落とし込めた気がします。ただどう頑張ってもダメなところはダメで、あっという間に終わってしまったところからも、やはり目は滑ってたかな。

1/M~1/M:非公式問題集。

TM受験時はこれの存在に気付くのが遅すぎて全部解かないまま本番に突入してしまったので、今回はしっかり解き終えて本番を迎えようと気持ちを新たに取り組みました。が、日本語がやけに難しく感じてしまって「言いたいことがワカラン」な問題が多く、正答率が著しく低くなってしまいました。まぁ、わかったつもりなだけで全然わかってないだけなんだろうな、と再度気を取り直し最後まで解きました。最終的には正答率が65%でした。1章と3章の正答率が著しく低いので、次のシラバス周回は1章と3章にターゲットを絞りました。

1/M~1/M:シラバス4周目。

4周目ともなると文章(というか出てくる言葉)に既視感がありすぎて目が滑る滑る。同じ段落を何度も読み返してしまいました。ただ、3章については新たに自分が理解していなかった部分がわかったりして(境界値分析の2値と3値の違いとか)、それは良かったこととして覚えています。

1/M~1/E:ASTQBサンプル問題。

シラバスは限界が近かったので、ここからは問題演習を多めにしようということでASTQBのサンプル問題に着手しました。ISTQBの問題を解いている時と似たような感覚にイライラしながらも、正答率70%で完了。特に技法の部分は正答率が高くなり、勉強の成果が出てきたことを実感できました。そして圧倒的に1章が弱いので、次のシラバスは1章だけに絞ることにしました。

1/E~1/E:シラバス5周目。

目が滑るのは自明だったので、そうならないように過去に入れた自分のコメントと会話するようにコメントを追記していきました。もうそれしかやることがない。シラバスからの卒業を決めました。

この辺りで、L.Oだけをまとめたテキストファイルを作りました。本番直前の復習はそれを眺めるだけでも効果がありそうと思えたので。

1/E~2/F:ISTQBサンプル2回目。

問題は何回も解いてこそ、という信念があるので、苦行になることを覚悟しつつ2回目に着手しました。間違い探しをさせられてる感に苦しめられながら解き終えて、2周目なのに正答率70%。これじゃマズいという気持ちと、言っても間違い探しやらされ感だからこんなもんじゃね?と両方を思いつつ、、、

2/F~2/F:ISTQBサンプル間違ったとこだけやりなおし。

もう間違い探しは嫌なので1周目も2周目も間違えた問題だけやりました。それでも間違える問題もあり、だんだん不安になってきました。

2/F~2/F:非公式問題集2周目。

ここでも正答率70%。本番まで残り2日でちょっとヤバいかも?と本気で思い始めましたが、如何せんモチベーションが上がりませんでした。

2/11(試験前日):シラバス6周目。

もうやり切った感というかこれ以上何かをやっても頭に入らなさそうだったので、儀式としてシラバスを通読しました(というか、文章を目で追いかけました)。

2/12:そして本番

TM受験時との違いは「勉強は飽きるまでやった(やり切った)」ですが、勉強が仕上がったかというとそうでもないような。ただ、何をもって仕上がったとするかは明確に定義づけしていたわけでもないので、もうどうにでもなーれの気分で本番を迎えました。

使用した教材

使用した教材に関する所感。

シラバス

シラバスを制する者はJSTQBを制す。テスト実施に繋がる話が多いので、多くの人がイメージしやすい内容だと思います(対TM比)。が、勉強の流れにも書いた通りスラスラ読めてしまい過ぎるところがあるので、しっかり読み込むには工夫が必要だとも思います。

ISTQB/ASTQB演習問題

TAシラバスを問題にするならこういう感じ、を掴むものだと思います。TMの時はこれらの問題からもいろいろ気づきを得られたのですがTAではそうでもなかった、、、。ASTQB問題集は2019だとISTQBのものがそのまま載っているので、2016を選択した方が良い。

非公式問題集

シラバス改訂前の内容ですが、日本語で一通り網羅されているのは良いかと。ちなみに勉強方法わからなくて困ってた元同僚にこれを勧めたところ、彼も合格しました。

初めて学ぶテスト技法

技法メインと思いきやIEEE829の話とかも出てくるので、テストについて全般的に網羅出来て良いと思います。ちなみに最初の方はいろいろ細かいジョークがあってそれだけで面白いですが、後半になるとだんだん真面目なことしか書かれないようになっていきます。

成功したこと/失敗したこと/成功?失敗?/どうしたらいいかわからん

[成功]教材を揃える

勉強始める時点でやるべき教材をリストアップしてやりきったこと、かなと。TMの時は何を使って勉強したらいいかわからなくて手当たり次第にやってしまった(そして中途半端に試験を迎えてしまった)ので、反省が活かせて良かったと思いました。

[失敗]モチベ維持

モチベーションの維持が難しかったです。何でこの試験受けるんだっけ?が途中でブレた気がします。

[要改善]詳細スケジュール?

あんまり思いつかないですが、教材リストアップ出来たら日程まで落とせば良かったかな、とは思います。

[悩み]意味不明箇所の取り扱い

シラバスの中身で何言ってるかよくわかんない(もしくは前提知識が無くて状況を想像すらできない)ところにぶつかった時に、それをどう扱えばいいのか。

  • ほっとく
  • 無理やり解釈をつける
  • Twitterとかに呟いて誰かにアドバイスをもらう

どれをやっても何となくモヤモヤが残るという。全部やりながら考え続けていかなきゃいけないんだろうなぁ。

業務経歴書について

TM受験済みなので今回はパス。あちらにも書きましたが、何でもいいから業務経験が3年あればOKっぽいです。 pulptex.hatenablog.com

当日のこと

  • いつも通りTOC有明パナソニックセンターはイベントやってて普通に通り抜けられた。閉業とはなんだったのか?←大阪が閉館、東京は中にある「リスーピア」っていうのが閉館(建物自体は存続)ということだったらしい
  • 前々職の同僚も同会場で試験を受けていたので、何となく一人じゃない心強さ。TMは(というか受験全般は常に)一人だったので、同じ会場に知り合いがいるっていうだけで何となく心強いですね。
  • TM同様、見直しが一周終わりませんでした。一周丸々見直しが出来る方々は解くスピード半端ないですね。
  • 図を描いて考えるタイプの問題で、前問(前ページ)を参照しつつ解答作っていかないといけないものがありました。めっちゃペラペラめくりました。
  • 本番の試験問題はよく考えられているというか、シラバス範囲をしっかり理解したうえで考えないと解けない(と感じる)問題が多く、普通に良問だと思いました。問題集作ったら売れると思う。

もし再び試験を受けるなら何を改善する?

特に思いつきません。JSTQBで実施している試験区分はコンプリートしてしまったので、ちょっと燃え尽き感があります。強いて言うならキャリアの中でこの試験をどう扱うか?をよく考える、くらいですかね、、、

その他気づき

自分は本当にテストを生業にしたいのか?に疑問符がつくようになってしまいました。採用人事に唆されてテストエンジニアになってテストが面白いと感じて、「もっと体系的な知識を付けたい / 今の環境じゃダメだ」と思って転職して失敗して、テストとあんまり関係ないところに再転職してからTM/TAと受験して合格してしまったので、JSTQBのAdvancedに合格するレベルであれば当時の会社に在籍し続けても問題なかったんだな、とか、それなりに知識と経験が整理された今、それを活かしてもっと良いテストをやっていきたい!みたいな気持ちが出てこない状況を鑑みるに、自分が本当にやりたかったことは何だったのか?と。テスト設計コンテストに出てみるとか違う資格試験の勉強したりするとまた何か違った見え方がしてくるのかもしれませんが、今はそういう気持ちになれません。しょぼん。

試験が何にどう役に立ったか

  • 取得資格に書けることが増えた
  • 自分のキャリアを再考するきっかけになった